その時までサヨナラ

作者　山田悠介

リアル鬼ごっこ、親指探しなど、人間の欲や妬みなどグロくて怖い本が多い作者だが、この本はホラーではなく、すごく心温まるお話。

家族のことなど全く頭になく、出世のことしか考えていない主人公。

見ていて嫌な気持ちになるほど自分本位な姿勢に、妻は子供をつれて実家に帰ってしまう。

離婚も考えていた時、妻が事故で亡くなったと連絡がくる。

一人で子供のことをみることになるが、どうやればいいかわからない。

そんな時、一人の女性に出会う。その女性と共に生活していくうちに主人公は変わっっていく。

母親の強さ、親になるということ、相手を想うこと、家族とは何かなど、さまざまなことを深く考えさせられる。

山田悠介さんらしい人間の細かい心理や感情がリアルに書かれていて、登場人物にすんなり入り込める。

結末は涙なしでは読めない。もっと大切な人に優しくしようと思った。